新築住宅工程チェックの意義
~第3者の建築士による工事監理の意義~
近年、不況やデフレの影響によりローコスト住宅を売りとするパワービルダーによる住宅が多くなっています。
ただ、現在の厳しい価格競争により建築費を圧縮させるために協力業者に無理な価格や工期で発注せざるを得なくなり、人件費削減により少ない現場監督さんによる複数物件の掛け持ちなどにより、結果として手抜き工事が発生し、欠陥住宅が出来てしまうのが現状ではないでしょうか。これは、ローコスト住宅メーカーも大手ハウスメーカーも同じと考えます。
どの住宅も、工事監理が適切に実施されているか若しくは現場監督さんが現場の管理をきちんとしていれば問題のある住宅とならずに済むのですが、工事監理者さんや現場監督さんも数棟からひどい場合には、10棟以上の現場を1人で掛け持ちしていて、職人さんの手配や材料発注など工期を守るための工程管理に追われ、建物の施工や品質の管理を行うのは難しい状況が多く見られます。
建築主様は、住宅メーカーは選べても現場監理者さんや現場監督さんを選ぶことは難しく善し悪しの判断をする事は現実
的に無理な事です。そこで一つの方法として、建築主様が信用できる第3者の建築士による検査を入れる事が出来れば
安心感が得られトラブルを未然に防ぐ事ができるのではないでしょうか。
また、私の経験上、建築工事における欠陥については、現場監督さん不在な場合を除けば故意な場合は非常に少なく、
工事に対する無知やうっかりミスの場合がほとんどです。
ですから、第3者の建築士を入れる事により施工者も適正な品質の工事をやらねばと考え良い緊張感が生まれ、本来の
施工者のチェックと第3者の建築士との2重チェックが行われうっかりミスなどは少なくなります。
ローコストの住宅にて建築コストを抑えて、建築中の複数回の第3者検査を入れたとしてもそれでも大手ハウスメーカーの
高額な住宅を購入するよりは、かなり安く購入する事ができ安心な住宅を手に入れる事ができるので一石二鳥ではないでしょうか。